スポンサードリンク

信用保証協会融資への期待

スポンサードリンク

リーマン・ブラザーズが2008年9月に破綻してから、世界経済は前代未聞の金融危機に襲われています。株価は底が見えないほど下落し、 日本の銀行もその影響を受けて、自己資本が減っています。
さらに、原材料高、原油高の影響もあり、多くの企業が倒産したことにより銀行も多額の不良債権を抱えることになってしまいました。株安と、不良債権の増加のダブルパンチを 受けた銀行は、自己資本比率が著しく低下し、中小企業向け融資に消極的な姿勢に転換してしまいました。
また、銀行の債務者区分が破綻懸念先以下の取引先からは、早期の融資回収が行われ、「貸し剥がし」現象が生まれています。
そんな状況ですから、 多くの中小企業は金融機関からプロパー融資を受けるのが困難になってきています。そんな中、信用保証協会融資に期待がかかっています。
信用保証協会融資は、中小企業信用保険法に定める一定の中小企業が、金融機関から融資を受ける際に一定の保証料を支払うことで、 信用保証協会が金融機関に対して貸倒リスクを保証してくれる制度です。
この信用保証協会融資は、従来は対象となる全ての融資について、信用保証協会が100%の保証をしていましたが、 2007年10月からは一部の融資を除いて、信用保証協会の保証は原則80%になりました。 銀行側も20%の貸倒リスクが発生するため、以前よりも積極的に信用保証協会融資を薦めることができなくなっています。
このような背景から、今回の金融危機を克服するために、信用保証協会融資のテコ入れが必要と判断した政府は、 新しく2つの信用保証協会融資制度を創設しました。
それが「緊急保証制度」と「予約保証制度」です。この2つの信用保証協会融資制度を推進することによって、年末資金繰りが厳しい中小企業の救済に乗り出しました。 銀行側も、100%信用保証協会から保証が受けられ、従来の信用保証枠とは別枠であるため、積極的に薦めることが可能となり、「貸し剥がし」現象解消に貢献しています。

緊急保証制度とは

「緊急保証制度」とは、通常の信用保証協会融資の一般枠とは別に、信用保証協会が100%の保証をする別枠での融資制度です。
利用できる企業は、政府が指定した一定の業種に該当する中小企業で、売上が前年より減少している、 などの要件を満たす必要があります。 利用限度額は、通常の一般融資枠とは別に、無担保8,000万円、有担保2億円の融資枠が設けられています。
この「緊急保証制度」は、借りる中小企業にとっても、貸す銀行にとってもメリットがあります。 中小企業は、信用保証協会の一般融資枠を減らすことなく、融資を受けることができますし、銀行側にとっても 信用保証協会の100%保証が付いていますから、貸倒リスクなしに積極的に貸出すことが出来ます。 現在、この緊急保証制度には融資の申し込みが殺到していますので、年内に借り入れをしたい、 という場合にはできるだけ早く申込みをされることをお勧めします。

  

予約保証制度とは

これまでの信用保証協会融資は、融資が必要な時にその都度、信用保証協会の審査を受けて融資してもらう、というのが通常でした。 ところが今度新しくできた「予約保証制度」では、将来の信用保証協会融資を事前に予約しておくことができるようになります。
具体的には、例えば今後1年間で信用保証協会融資を受けるための審査を、現在の時点で受けておきます。 そうすれば、この先1年間の一定金額の信用保証協会融資枠が確保できます。よほど状況が変わらない限り、 予約した融資についてはほぼ確実に借りることが出来ます。
保証料については、予約しただけではかかりませんが、実際に融資が実行された場合に、通常の保証料に若干の上乗せがされます。 将来の資金繰りについては厳密な予想が立ちにくくなっていますよね。また、金融環境も激変していますから、今のうちに資金手当てが 出来ていれば、経営者は安心ですよね。

  

貸し剥がしはなくなるのか

金融環境が激変してしまった現在、中小企業の生き残りのために緊急保証制度と予約保証制度をうまく利用していくことが必修です。 気になる銀行の融資姿勢ですが、現状のままでは改善されることは難しいと考えられます。特にメガバンクは中小企業向け融資に対して 消極的です。手間がかかる上、経営基盤の弱い中小企業に貸し込めば、貸し倒れのリスクが高まるからです。株価が1万円割れしている現状を 考えると、銀行の融資姿勢が急に変化するとは考えにくいと思います。
地方銀行、信用金庫と上手に付き合いながら早急に緊急融資制度と予約保証制度を利用して、資金繰りの安定に注力してください。 制度がなくなれば、また「貸し剥がし」に逆戻りになってしまいますよ。